「ロイヤルロッホナガー12年(Royal Lochnagar Highland Single Malt Scotch whisky Aged 12 Years)40度・700ml」はスコットランド・ハイランド地方東部ディーサイド(ディー川沿い)のロッホナガー蒸溜所が造っているシングルモルトです。
ロッホナガーとはディーサイドで一番高い(標高1,156メートル)山の名前で、ゲール語では「岩の露出した湖」の意味。実際に蒸留所の南側の「ダーク」ロッホナガーと呼ばれる険しい山の斜面から流れる湧水を使って造られています。
ジョニーウォーカーの「黒ラベル(Black Label)」、最高級銘柄のブレンデッド「ブルーラベル(Blue Label)」や「バット69(VAT69)」ウィリアム・サンダーソン&サン社(ディアジオ社傘下)のキーモルトとして使われていることでも有名です。
同蒸留所の操業は1845年で、名前の由来はその3年後にさかのぼります。ディー川上流域に別荘、バルモラル城を持っていたビクトリア女王と夫のアルバート公を蒸留所が招待したことがきっかけでした。
シングルモルトウイスキーを試飲したところ、女王夫妻がその風味に深く感銘を受け、女王自ら「ロイヤル」の称号を許したロイヤルロッホナガー蒸留所が誕生することに。
ちなみに、女王は愛飲の特上ボルドーワインにロッホナガーを数滴落とす飲み方を好んだとか。興味のある方は女王の気分をお試しください(笑)。
その後、ビクトリア女王の前例に習い、国王、女王、王子がバルモラルの王室領地に夏の間滞在するたび、蒸留所を定期的に訪問するようになりました。
ボトルには英国王室御用達を証明するように、ヴィクトリア女王、息子のエドワード7世、孫のジョージ5世の名も刻まれています。
「ロイヤルロッホナガー」はスコットランドの老舗蒸溜所では3番目に小さく、伝統的な製造法を変えていないため、シングルモルトの中でも希少性の高い銘柄のひとつと言われます。
ウイスキーづくりのすべてが手作業。当初からあった農舎は今も現役で利用され、最上のモルトウイスキーを作るために天然の原材料を自前で調達します。
そして、たった1塔だけのパゴダルーフ(ミャンマー様式の仏塔)のキルン(窯)で乾燥。湧水を使った仕込みの際には、今でも伝統的な開放式のマッシュタン(麦芽糖化槽)が使われます。
その後、2基しかないスチーム加熱式蒸留器、ワームタブ(蛇管型冷却装置)を使い、ロイヤルロッホナガーらしい繊細でみずみずしい特徴を生み出しています。
希少ながら価格は3,500円前後。一般的な評価では「甘酸っぱい感じの香り」「味、香りともにすばらしい」「クセがなくバランスが良い」「控えめなのに美味しい」とバランスのよさをあげるレビューが多く見られます。
ロイヤルと名がつくだけに、香りも甘さも上品。初心者の方でも味わえます。当然ながら旧ボトルも人気ですが、在庫切れのところが多いですね。ヤフオクも見つかるオークションのオールドボトル情報も載せておきます。