シップスミスVJOP ビームサントリー社傘下で安定供給
「シップスミスVJOPロンドンドライジンブラック(Sipsmith V.J.O.P. London Dry Gin Black Label)」はウエストロンドン・ハマースミスにあるシップスミス社が造っているイギリス産クラフトジンです。
シップスミス社は2016年12月からビームサントリー社の傘下に入りました。1回の蒸溜で300本という小ロット生産に専念して、販路開拓には国際流通ネットワークを活かしたいという思いがあったようですね。
VJOPとスタンダードとの違いは2倍のジュニパーベリー
VJOPはスタンダードの「シップスミス・ロンドンドライジン」の上位版の銘柄で、違いはふたつあります。VJOPとは「Very Juniper Over Proof」の略。
このネーミングにも2点が表現されています。ひとつめはジュニパーベリーが通常のジンに使われる2倍投入されていること。「ダブルジュニパー」とも呼ばれます。
使われているマケドニア産のジュニパーベリーは、雑味がなくクリアでパイナップルやラベンダーを思わせる香味があるのが最大の特徴です。
世界で飲まれるジンの95%はジントニックとして飲まれているというデータから、最高のトニックウォーターで割っても負けない風味にする目的があるそうです。
違い2・57.7度のネイビーストレングス
さらに、スタンダードのシップスミス・ロンドンドライジン(41.6%)にたいして、VJOPは57.7度というネイビーストレングス。
初めて購入される方は、ラベルカラーの緑がスタンダード、黒がVJOP、青でネックカラーの赤いものがVJOP#2(後述)と覚えておけばわかりやすいと思います。
ちなみに、同じロンドンで蒸留されるロンドンドライジンとして知られる、キングスバリーの「ビクトリアンバットジン(Kingsbury Victorian Vat Gin)」47度もダブルジュニパー。
上位版の「ビクトリアンバットジン シングルカスク(Kingsbury Victorian Vat Gin Single Cask)」も工程は同じで56.8度なので、飲み比べてみるのも楽しいです。
シップスミスの種類・VJOP#2が希少品に
シップスミスVJOPの種類には「VJOP#2」という銘柄もあります。これはVJOPのリリース時、先行発売で日本が選ばれたのですが、そのときに日本からのフィードバックを元に造られたジンです。
現在、スタンダードとなっているVJOPよりもアルコール度数は軽い52度。赤いネックのボトルですが、現在は終売となって通販でも在庫は希少となっています。
シップスミスVJOPロンドンドライジンブラックはアルコール度数57.7度・700mlで、最安値価格(税込)は4,500円ほど。VJOP#2は52度・700mlで、最安値は今日現在で5,700円ほど。
シップスミスVJOPの価格とレビューの評価
シップスミス銘柄 |
通販販売店の 最安値価格(税込) |
ロンドンドライジン (41.6度・700ml) |
4,000円ほど |
VJOPブラック (57.7度・700ml) |
4,500円ほど |
VJOP#2 (52度・700ml) |
5,700円ほど(希少) |
VJOPブラックの一般的な評価は「高いのが難点」と価格面をマイナスに感じるレビューがありますが、味に関する一般的な評価は高いです。
「ロックがうまい。度数のわりにマイルド。後味にスパイスというより塩味っぽい感じ」「数々飲んだジンの中でもトップクラス」「正統派のジンらしいジン。辛口な仕上がり」と高評価です。
ダブルジュニパーの特徴を強調しているため、近年のクラフトジンに見られる個性的な風味づけが排除されています。その意味ではシンプルで重厚な辛口ドライジンなんですね。
アルコール度数が高めなので、ストレートではきつく感じるかも。ジントニックのために造られたジンだけに、自分に合った濃さでまずはジントニックを楽しんでみてください。ジュニパーが強めなので、マティーニとの相性もいいですね。