ジンの発祥はオランダのジェネヴァですが、ジンをドイツ流にアレンジしたのが「シュタインヘーガー(Steinhager)」の歴史の始まりです。
シュタインヘーガーの名前の由来は西ドイツのヴェストファーレン地方シュタインハーゲン(Steinhagen)村で製造されたことから名付けられました。
19世紀は20ものシュタインヘーガーの蒸留所があったようですが、現在はその他の州でも生産されています。
ちなみに、欧州連合(EU)のEU法が規定する食料品の「原産地名称保護制度」があり、現在はシュタインハーゲン地区で作られたものしか、シュタインヘーガーを名乗れなくなっています。
ドライジンやジュネヴァでは乾燥させて使うところが多い(最近は生のジュニパーを使う蒸留所も増えています)ですが、シュタインヘーガーは香り付けに生のジュニパーベリーを使用して作られます。
生のジュニパーベリーを25℃で8~14日間発酵させてから単式蒸留器で蒸留、ジェニパーベリーだけのスピリッツを製造します。
同時にドライジンのように麦芽、とうもろこし、ライ麦などの穀物類から連続式蒸留器で高濃度のグレーンスピリッツを作ります。
そのあとで、2つのスピリッツをブレンドしてから、再蒸留します。ウイスキーでたとえれば、ラベルに「原材料:モルト、グレーン」と表示されているのがあります。
これはモルトウイスキーとグレーンウイスキーのブレンドという意味ですが、このような製法なんですね。
シュタインヘーガーは風味が濃厚で原料に使った麦芽の香りが残っているものが多く、よく冷やしたストレートの状態で風味が楽しめます。
また、生の状態のジュニパーベリーには糖分が約20%あるため、ジュネヴァほど重くなくドライジンよりもマイルドな印象です。
ドイツではビールを飲む前や食後には消化を助ける目的でもシュリヒテを一杯を飲む習慣があり、ごくふつうにチェイサーとしてビールを飲みながら飲んだりします。
地元のBarで出てくるときには並々とグラスぎりぎりまで注いでくれるので、最初は手で持たずに口をつけてちょっと飲まないとこぼしてしまいます。
昔ながらの独特な陶器製ボトルも中身の量がわからないので、つい飲みすぎてしまいますね。外見もとても個性的なドイツのジンです。