「サントリー角瓶700ml(Suntory Whisky Kakubin)」は1937年の誕生以来、変わることなく受け継がれているロングセラーブランド。あらゆる世代を超えて人気のあるウイスキーです。
「ロックや水割りでは値段の高いウイスキーにはかなわないものの、ハイボールの角瓶はうまい」と多くの人が口にします。女優さんを起用した上品な庶民派イメージの広告戦略もうまいですね。
居酒屋でもおなじみの黄色いラベルのハイボールジョッキが出てくると、「あ、ここは角瓶使ってるんだな」と、ホッとするのは私だけでしょうか。
角瓶はサントリー創業者・鳥井信治郎氏が「スコッチに負けない日本のウイスキー」を目指し、十数年かけて完成させました。
一般的にウイスキーの熟成に使う樽(カスク)は、バーボンやシェリーの熟成に使用されていたものが再利用されます。それぞれの樽のタイプが、熟成中のモルトウイスキーに微妙なフレーバーを与えるわけです。
バーボン樽にはバニラのような香りと軽い甘さがあります。角瓶は山崎と白州蒸溜所のバーボン樽原酒をバランスよく配合することで、コクと甘い香り、ドライな後味が特徴となっています。
ハイボールにしてみると甘さが引き立って、ちょっとバーボンのような軽い後味があります。これが揚げ物などに合ってしまうんですね(笑)。
「中身だけでなく、瓶にも日本らしさを」というコンセプトで、ボトルデザインは薩摩切子の香水瓶がヒントにされているそうです。
実は角瓶のボトルラベルには「角瓶」の文字はありません。その見た目から誰からともなく「角瓶」と呼ばれはじめ、のちに製品名として定着しました。
サントリーでは角瓶も含む国産ブランドと輸入ブランドの価格が、2016年から値上げになりました。「角瓶700ml」の希望小売価格(税別)は176円引き上げの1590円。
値上げ幅は12.4%ながら、角瓶の値上げは1984年5月以来32年ぶりということで、物価が上昇する歴史のなか、長いあいだがんばってくれたなとしみじみ思いました。とはいえ、愛飲家にとっては衝撃です。
口コミでも「晩酌を節約したいのでもうちょっと安くなってくれたら助かるんだけど」という、角瓶への愛着を感じます。
ちなみに、父の日やちょっとしたプレゼントに、値段は6,000円以上と高くなりますが、ボトルに彫刻してくれる名入れサービスもあって、こちらも人気。
ちなみに、サントリーのホームページによると、角ハイボールのおいしい飲み方はジョッキにレモンを先に軽く絞り入れたら、角1・ソーダ4(強炭酸)をゆっくり注ぐのがコツだとか。
私は角1・ソーダ3くらいが好みですが、みなさんの黄金比はいかがでしょうか。