スーパーニッカ 終売の初号復刻版やプレミアム、古酒が人気
「スーパーニッカ(Super Nikka)」は1962年にニッカウヰスキーから販売されて以来、リニューアルをくりかえしながら販売されているブレンデッドウイスキーです。
レアオールド(Rare Old)の表記が小さく入っていて、現行品のほかに希少ながらも終売の初号復刻版、プレミアムが流通。オールドボトル(古酒)も人気があります。
オールドボトルはガロンボトルやウイングボトル、干支ボトル、原酒など種類も豊富ですね。どの時代のボトルがうまいかと話題になりますが、古酒は保存状態にも左右されるので多少は当たり外れも覚悟しなくてはなりません(笑)。
むしろ、ノスタルジーに浸ってひと時を楽しみたいというのが、スーパーニッカの古酒を求めるファンの方の贅沢な楽しみ方のように思います。
スーパーニッカ初号復刻版とは?
「スーパーニッカ初号復刻版」は、未開封で現存されていた「初号スーパーニッカ」をブレンダーがテイスティングして、1962年当時の香りと味わいを再現したもの。
これは1961年に死去した妻リタさんへ捧げるため、竹鶴政孝氏が息子の威さんとともに余市蒸留所内の貯蔵庫と研究室にこもって開発した、ブレンデッドウイスキーとして知られています。
当時は宮内庁御用達カガミクリスタルの佐藤潤四郎氏デザインによる、セミクリスタル製手吹きボトルが採用されました(現在は機械吹き)。
初号復刻版の特徴は余市蒸留所のモルト原酒
実は初号復刻版の原酒は、当時とまったく同じというわけではないんですね。初号時代にまだ宮城峡蒸溜所はなく、カフェスチルの導入もありません。
当時は余市蒸留所のモルトウイスキーにほかのグレーンウイスキーをブレンドしてつくられていました。
現行品のスーパーニッカはどうかというと、余市・宮城峡蒸留所のモルト原酒にカフェグレーン原酒の3つをブレンド。ブレンド後は栃木工場で後熟されてから出荷されるという体制がとられています。
初号復刻版は余市蒸留所のヘビーなピートモルト原酒を多く使い、宮城峡カフェグレーンとのブレンド技術により、当時の香りと味わいを近い形が再現されているんですね。
初号復刻版の特徴と現行品との価格比較
スーパーニッカ |
通販販売店の価格(税込) |
現行品スーパーニッカ (43度・700ml) |
2,100円ほど |
初号復刻版 (43度・700ml) |
6,000円ほど |
プレミアム (43度・750ml) |
8,000円ほど |
記事をアップした2022年3月22日時点での価格です。現行品は43度・700mlで税込2,100円ほどの価格にまだ変化はありません。
初代の販売価格は3,000円(現在の40,000円相当)と非常に高価で「幻のスーパーニッカ」と言われるほどでした。
「初号復刻版」は度数43度・700mlで終売後の値上がりもあって、一時は税込1万円ほどになりましたが、今は流通も少ないながら税込6,000円ほどでちらほら。
余市のモルトとピートの力強さがビターですが、熟成香のある柔らかで甘い後味が特徴です。
一般的には高評価ですが、強いて言えばという意味のマイナス評価をあげてみます。「開栓後は強さがあったので暫く寝かせた。久しぶりに飲むと美味しく頂けた」「通常のスーパーニッカと比べて値段まで復刻してしまった」「万人受けするタイプの香味ではありません。甘いウイスキーが大好きな人には苦手な味かも」など。
支持するレビューでは「現行品と比べてピーティーでしっかり主張してくる煙たさが絶妙」「今のニッカが好きな人には少し抵抗あるかもしれませんが、美味しいです」「香り高く格調高し。この値段なら大変なお買得品」「この力強さ、余市のモルトだわと実感できる、実にウイスキーらしい香味」などがあります。
価格的にはバランタイン17年が2本買えて、あと2,000円ほど出せばジョニーウォーカーのブルーラベルが買えますが、残り少ない限定品。購入する方は特別なノスタルジーに惹かれるんでしょうね。
スーパーニッカプレミアムはわずかにオールドボトルあり
スーパーニッカプレミアムは長期熟成のモルトとグレーンを使用した、スーパーニッカの上位版として登場したブレンデッドウイスキーです。
長期熟成だけにシェリー香と奥深い味わいが売りでしたが、1996年6月に発売された「スーパーニッカ15年」が後継品となり、プレミアムは翌年3月に終売となりました。
後継の15年もいつのまにか終売となり、通販にもないようですね。ちなみに、熟成物として「ザ・ニッカ12年」に引き継がれています。
プレミアムは43度・750mlで税込8,000円ほどの価格でこちらも通販でわずかにあります。以前は5,000円ほどだったので、値上がりしてますね。
雑味もなく飲みやすいですが、15年のほうが樽香は高いかもという感想もあります。いずれこれらの銘柄はオークションのみでしか、手に入らなくなるでしょう。あの時代の日本に浸れる機会はだんだん減っていきますね。