ザ ニッカ12年終売でテーラードへ
「ザ ニッカ12年(The Nikka 12 Year Old)瓶・700ml」はニッカウヰスキーの12年以上の原酒を厳選してブレンドした、プレミアムブレンデッドウイスキーです。
販売元のアサヒビールがザ・ニッカ12年の「2019年3月末を目途に在庫がなくなり次第終売」という発表を行い、後継商品として同年4月9日にノンエイジである「ザ・ニッカテーラード(Tailored)」が発売されました。
「Tailored」の表記の下には「Tailor-designed to perfection"(完璧にカスタマイズされたデザイン)」とあります。
ノンエイジにしては高価格、ここまで言い切ってボトルも高級感!かなりの自信がうかがえます。
比較はのちほどにして、まずはザ・ニッカ12年の解説に入りましょう。
終売で品薄となったザ ニッカ12年の特徴
ザ ニッカ12年は性格の違う余市モルト、宮城峡モルト、カフェグレーンを巧みに使ったブレンデッドウイスキーです。
余市モルトを生み出す「余市蒸溜所」では、重厚でコクのあるモルトを生み出すストレートヘッド型と呼ばれるポットスチルを使います。
加熱方式は「石炭直火蒸溜」のため、力強い性質のウイスキーが生まれます。
いっぽう、宮城峡モルトを生み出す「宮城峡蒸溜所」では、胴体部分に丸い膨らみのあるバルジ型ポットスチルが使われます。
バルジ型はこの丸い膨らみによって、蒸気の流れが複雑になり、釜にもどる蒸気が多く、釜にもどった蒸気は香味成分とふたたび上昇します。
加熱方式は「スチーム式(蒸気間接蒸溜)」でポットスチルの底と釜の内部にめぐらせたパイプにスチームを通し、石炭直火蒸溜より低温の約130℃でじっくりと蒸溜します。
この工程をくりかえすために、アルコール成分が凝縮されて、風味に洗練された味わいの特徴が出ます。
性格の違う余市と宮城峡モルトのブレンド
このふたつの個性的なモルト原酒を包み込んで、まろやかにブレンドする役割が、宮城峡蒸溜所で造られるグレーンウイスキー。
宮城峡蒸溜所が誇る有名な「カフェ式連続式蒸溜機」です。
導入当時でさえ、すでに旧式とされていた蒸溜機ですが、あえてこだわった蒸溜機でした。
このカフェ式蒸溜機でつくられたグレーンウイスキーはクリーンになりすぎず、グレーン由来の風味が残ると言われています。
グレーンウイスキーの原酒も12年の熟成を経て、ブレンディングの要となるわけですね。
ザ ニッカ12年とテーラード・定価と価格やギフトボックス
「ザ・ニッカ」43度700ml |
参考小売価格(税別) |
通販販売店の最安値価格(税込) |
ザ・ニッカ12年 |
6,000円 | 8,500円前後 |
ザ・ニッカテーラード |
6,000円 | 5,300円前後 |
「ザ ニッカ12年」はアルコール度数43度・700mlで、あくまでも記事アップ日の最安値価格ですが、定価の目安となるアサヒビールの参考小売価格は6,000円(税別)。
通販での最安値は記事アップ日の価格で8,500円前後と高騰気味ですね。終売品で品薄なのでこれから高騰が加速してくると思われます。
ザ・ニッカ12年は贈り物としても人気なので、ギフトボックスを探している方も多いですね。
ギフトボックス入りになると、10,500円前後の価格になります。
ノンエイジの「ザ・ニッカテーラード」はアルコール度数43度・700mlで、参考小売価格も6,000円(税別)と12年と驚きの同価格。
あくまでも記事アップ日の最安値価格ですが、5,300円前後。この価格で箱入りを買える販売店もあるんですね。
ザ ニッカ12年のレビュー評価
「ザ ニッカ」の一般的なレビュー評価では以下のものがあります。
「ニッカ・フロム・ザ・バレルの12年モノという印象」
「ピュアモルトな12年モノとは違うので好みが分かれそう」
「この価格でこのレベルは本当にすごい」
「ピートが苦手でしたが、12年は飲みやすくて華やかな香りが気に入った」
「贅沢な香りで良い。味もコクがあり滑らか」
「贈り物としては品がある中でも買いやすい値段」
「力強い味わいと香りが特徴で、蒸留酒にありがちなアルコールの嫌味もほとんどない」
「竹鶴17年よりも飲みやすい」
12年熟成とはいえ、ブレンデッドですからシングルモルトやピュアモルトが好きな人からすると、たしかに印象は違いますよね。
でも、カフェ式でつくられた12年物のグレーンウイスキーが入っていることを考えると、貴重なウイスキーです。
ザ ニッカテーラードのレビュー評価
「ザ ニッカテーラード」の一般的なレビュー評価には以下の感想があります。
「12年よりアルコールの辛味が目立つ」
「香りもコクも明らかに12年の圧勝」
「宮城峡の香りが強い。ニッカ・フロム・ザ・バレルが好きな人は試す価値あり」
「12年物と原酒の種類や構成を変えているのがよくわかる。別物のように感じる。ストレートでもアルコールの刺激、辛みを抑えて飲みやすい」
「味は深いタフィー、レーズン、バニラ、および少しの香辛料のバランスがとれている」
ニッカ・フロム・ザ・バレルに近い印象を感じる人がいるようですが、ノンビンテージなので「12年とは別物」という認識で味わうほうがいいですね。
ちなみに、口コミに出てくるタフィーとはトフィーとも呼ばれるお菓子で、砂糖・水あめなどを高温で煮詰め、ナッツなどを加えて固めたキャンデーです。
すでにご存知のように、サントリー響12年が販売を終了、ノンエイジの「響ジャパニーズハーモニー(Hibiki Japanese Harmony)」が後継となりました。
その響ジャパニーズハーモニーが倍に近い価格に値上がりしている現在、「ザ・ニッカ12年」も高値とはいえ、響よりも安い価格でこの質ならという評価があります。
これからは「ザ・ニッカテーラード」の時代になるのでしょうか。
ザ・ニッカ12年にこだわるなら、いまのうちにストックしておいたほうがよさそうですね。