トマーティンレガシー・輸入元の国分がラベルリニューアル発表
「トマーティンレガシー(Tomatin Legacy)」はスコットランドのハイランド地方にある、トマーティン蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。
定番12年との違いは熟成年数が若い原酒であること、使っている樽の種類が違うことの2点。12年はバーボン樽、リフィルのホグスヘッド、シェリー樽で熟成した原酒をヴァッティングして、約8か月間シェリー樽で仕上げの熟成をしています。
レガシーはトマーティン銘柄では主軸として使われるバーボン樽に、アメリカンオークの新樽を使った原酒をヴァッティングさせています。
ちなみに、2016年3月に日本の輸入元「国分グループ」がボトルデザインの全面リニューアルを発表しました。12年、14年、18年、レガシーのラベルが順次リニューアルしています。
新ラベルは透明ボトルに小さなラベル、旧ボトル(旧ラベル)は黒ラベルに白いTomatinの文字が目印です。
トマーティンレガシーの特徴
トマーティンレガシーはノンエイジということで若い原酒の力強い風味をイメージしがちですが、口にしてみると意外にも主張は控えめでスモーキーさもほんのわずかです。
シングルモルトの中ではまろやかで飲みやすい銘柄と言えます。「素朴な甘い香味のジャパニーズウイスキーが好き」という方なら楽しめそうですね。
そのいっぽうで、個性の強いシングルモルトを飲み慣れている方は物足りなさを感じるかもしれません。
下記レビューの評価にもありますが、水割りにしたときの印象に可否の個人差があるのもレガシーならではです。
レガシーの価格とレビューの評価
トマーティンレガシーはアルコール度数43度・700ml。
記事アップ日の最安値(税込)ですが、並行輸入品なら2,600円ほどで購入できます。新ラベルのほうが価格は安いですね。
一般的な評価でマイナスポイントは少ないですが、「普通にウイスキーのイメージのまま。水で割ると単に味が薄くなるだけで深みがない」という感想も。昔ながらのウイスキーらしい風味が好みではない方には抵抗があるかもしれません。
銘柄 |
通販販売店の 最安値価格(税込) |
レガシー (43度・700ml) |
2,600円ほど |
クボカン (43度・700ml) |
4,300円ほど |
ファイブヴァーチューズシリーズ (46度・700ml) |
10,000円ほど |
ただし、支持する方にとってはこの風味は「バニラとレーズンのような素朴で馴染みのある甘い香味」と感じられるようです。
また、支持する方のなかでも「ストレートやロックでなければ」という意見と「水割りや炭酸割り派でも風味が落ちなくてうまい」という意見に分かれます。
水割りにするとちょっと渋みが強くなるように感じるならロック、でしょうか。そのほかに「古き良きスコッチの味わいの中に垣間見える素朴さ」「余計な個性は付けられてない感じで、甘口辛口どちらが好きな人でも飲みやすいお酒」などの評価が見られます。
トマーティンの種類1・クボカン
トマーティンの種類には熟成表記物のほかにもいくつかあります。そのひとつが「クボカン(Cu Bocan)」。発売年によってボトルデザインのカラーを変えています。
トマーティンは主にノンピートのモルトを蒸溜しますが、年末に差し掛かるとピーテッドモルトが蒸留されます。
もともとはライトな15から18ppmのピーテッドモルトを使ってきたそうですが、3年前からピートのレベルが38ppmにまで引き上げられています。
銘柄のなかでもピートをきかせたさまざまな樽の原酒をヴァッティングさせたのがクボカン。クボカンとは蒸留所が位置するハイランド地方インバネスに語り継がれる伝説上の魔犬を意味するのだとか。
43度・700mlで、記事アップ日の時点での最安値(税込)は4,300円ほど。今日現在、50mlのミニボトルも1,000円ほどでまだ在庫があるのでレガシーと飲み比べができますね。
トマーティンの種類2・「ファイブヴァーチューズ」シリーズ
「ファイブヴァーチューズ」シリーズというのは、人類に文明をもたらした五つの元素、木、火、土(アース)、金属、水をテーマにしたものです。
厳選されたオーク樽の熟成にこだわった「ウッド」、深く焦がされていたリフィル樽の内側を削り取ってさらに深く焦がした樽を使った「ファイア」、スピリッツが濃厚になる冬期に蒸留した原酒のみを使った「ウォーター」、強烈なピーティーさを強調した「アース」、伝統のポットスチル12基で蒸留されたスピリッツをファーストフィルバーボン樽で熟成させた「メタル」があります。
いろんなタイプのシングルモルトが登場して、これからおもしろくなりそうですね。こちらは46度・700mlでシリーズすべて10,000円ほどです。