タラモアデュー、新生蒸溜所の出荷までもう少し
「タラモアデュー12年(Tullamore Dew 12 Years Old)」はこれまでアイルランドのコーク(Cork)郊外にあるミドルトン蒸留所で造られていました。
タラモア蒸留所は1829年に設立されて1954年に閉鎖。ミドルトン蒸留所に引き継がれましたが、2014年からウィリアム・グラント&サンズ社によって新生タラモア蒸溜所が復活しました。
現行品はミドルトン蒸留所の原酒を使っていて、新生タラモア蒸溜所で生産されたタラモアデューが出荷されるのにはもう少し時間がかかりそうですが、アイリッシュウイスキー市場は年々拡大中で、タラモアデューの販売量も過去3年間で約30%増と好調なのだとか。
蒸留所の歴史やアイリッシュコーヒーの解説はこちら>>>「タラモアデュー アイリッシュコーヒーのおすすめ銘柄ウイスキー」
タラモアデュー12年の特徴、14年との違い
タラモアデュー12年の特徴は、もともとアイリッシュウイスキーの中で最も軽く、まろやかと言われるタラモアデューを、バーボン樽とシェリー樽を使って12年から15年熟成させている点にあります。
ノンエイジのスタンダードとの違いは、熟成年数が長いだけに深みが増している点。複雑なフルーティ風味に樽由来のウッディな香りがバランスのいい仕上がりになっています。
ちなみに、年数表示の銘柄に「タラモアデュー14年(41.3度・700ml)」もあります。間違えやすいのですが、12年と14年との違いは12年がモルトウイスキーとグレーンウイスキーのブレンデッド(40度)なのにたいして、14年はシングルモルトウイスキーであることです。
シングルモルト14年は3回蒸留のシングルモルトをバーボン樽で14年熟成後、オロロソ・シェリー樽とポート樽、マデラ樽で8ヶ月間後熟するという、かなり手の込んだ逸品。ボトルデザインも価格も高級感がありますが、すでに品薄になっています(価格は下記の表を参照)。
飲み方は軽さを活かしてアイリッシュコーヒーや牛乳割りも
タラモアデューは飲み口の軽さを活かしてカルーアミルクなどカクテルにも良く使われます。以前にも紹介したようにアイリッシュコーヒーに最初に使われたウイスキーとしても知られていますね。
飲み方はホットのアイリッシュコーヒーだけでなく、アイスのアイリッシュコーヒーや牛乳割り(下記テイスティングレビュー参照)で飲む方もいます。
アルコール度数が高くてロックが苦手という方は、繊細な香りの12年を牛乳で割ってみるとシェリーの甘い香りが楽しめると思います。
銘柄 |
輸入元サントリーの 参考小売価格(税込) |
通販販売店の 相場価格(税込) |
(度数40度・700ml) |
2,160円 | 1,700円前後 |
タラモアデュー12年 (同上) |
4,104円 | 3,300円前後 |
シングルモルト14年 (41.3度 700ml) |
取扱なし | 5,500円前後 |
タラモアデュー12年のテイスティングレビューと価格
タラモアデュー12年はアルコール度数40度・700mlで、今日現在、定価の目安となるサントリーの参考小売価格(税込)は4,104円、相場価格(税込)は送料入れずに3,300円前後。
一般的なテイスティングレビューは「スコッチとは少し違う甘みとコクと旨味」「ミルク割りでおいしくいただいています」「グリーンラベルを飲んで気に入り、12年も購入しましたが期待通り」「アイリッシュも美味しいんだなと思わせる良品」という好評価。
12年を購入する方はスタンダードが気に入ってから購入される方が多いためなのか、反対の感想はとくに目につかないようです。
抜群にうまいという評価よりも、期待通りでホッとしながら愛飲する方が多いのも、いい意味でアイリッシュウイスキーらしいですね。