ビクトリアンバットジン・キングスバリー社が再生したヴィクトリア朝時代
「ビクトリアンバットジン(Kingsbury Victorian Vat Gin)」はボトラーズブランドのキングスバリー社が販売しているクラフトジン。ロンドンで蒸留されています。
同社はスコットランド・アバディーンに設立され、1989年よりシングルモルトのボトリングを開始。その後、ロンドンに事務所を構えて蒸留酒を取り扱っています。
ビクトリアンバットジンはキャップ部分が緑色をしている、同社のスタンダード銘柄。特徴はその名が表している通り、ジンが流行した19世紀ビクトリア朝当時の風味と保存法を復活させたオールドスタイルという点なんですね。
ヴィクトリア朝とはヴィクトリア女王がイギリスを統治していた1837年から1901年の期間であり、産業革命による経済発展が成熟に達したイギリス帝国の絶頂期と言われます。
風味の特徴は2倍のジュニパーとスコッチ樽熟成
ビクトリアンバットジンは当時のジンと同じように、一般的なジンの2倍以上のジュニパーベリー(クロアチア、あるいはハンガリー産)を使っているため、通称ダブルジュニパーと呼ばれています。
この強烈なジュニパーとそのほかのボタニカル(非公開)による、ビターでスパイシーな辛口風味が個性です。
ふたつめの特徴は、これも当時と同じく「スコッチ樽熟成」というこだわり。19世紀ビクトリア朝時代は、輸出用に税率を下げたジンが世界を席巻しました。
輸出用のジンはスコッチ樽に詰められて出荷されていたため、ほどよく熟成が進み、柔らかなドライ感と薄い液色がつくようになったんですね。
ビクトリアンバットジンも熟成の進み具合により12週間から26週間ほどかけて熟成させるため、天然の淡い琥珀色に染まっています。
価格とレビューの評価
ビクトリアンバットジンはアルコール度数47度・700mlで、最安値(税込)は2,300円ほど。
一般的な評価からまずはマイナス面を書いている方の感想。「ちょっとクセがあった」「正直言ってストレートやロックで飲むのはきつい」「ジン特有の香り・味の主張がかなり強く、ジントニックなどにしないとまともに飲めないレベル。私のようにそのまま飲む方にはオススメできないです」などがあります。
つまり、ジュニパーベリーが強烈すぎるので、辛口のジンが好きな方やジントニック派の方でないとちょっときびしいといったところですね。
また、おそらく超辛口のジンが好きな方だと思いますが、「トニック割りなどにはまったく不向き。甘ったるくて飲みきれなくなります」という感想も。ほとんどのレビューには甘いという指摘はないので、好みの差ですね。
支持するレビューでは「そのまま飲むには華のない無骨なジンだが、ジントニックに使うならとても優秀なジン」「これで作ったジントニックのおいしさは衝撃」「高いなりの香りと味わい」「割っても香りがほとんど弱まらないのでガッツリとした風味を味わえる」など、やはりジントニックにしたときの評価が抜群に高いんですね。
大航海時代の風味を楽しむジントニックの飲み方
男性的なジンなので、ジントニックならこれと決めた飲み方をする方は多いようです。
実際に、当時ロンドンで飲まれていたジントニックに一番近い風味を味わいたければ、ビクトリアンバットジンに「フィーバーツリー プレミアム トニックウォーター」の組み合わせがいちばん近いと言われています。よかったらお試しくださいね。
ちなみに、そのほかの種類では赤いキャップとラベルが目印のプレミアムジン「ビクトリアンバットジンシングルカスク」も販売されています。