和ジンWagin・日本酒がベーススピリッツのプレミアムクラフトジン
「和ジン(Wagin)」は茨城県水戸市の老舗酒造メーカー、明利酒類(めいりしゅるい)株式会社が造るプレミアムクラフトジンです。
このジャパニーズジンの特徴はベーススピリッツに日本酒を使っていること。
日本酒を蒸留したうえで10年間貯蔵して使っているため、日本の米焼酎のような状態で10年間貯蔵しているわけですね。
ジンは貯蔵しないのが一般的で、比較的早く短期間で造れるのがメリットですが、そこをあえてベーススピリッツを10年間も貯蔵して造れるのは、日本酒の老舗蔵元の企業規模があってのことでしょう。
ボタニカルはシンプルに7種類。ウッディな香りのジュニパーベリー、レモンピール、オレンジピールの柑橘系、スパイシーなシナモンなど、高品質なボタニカル素材を使っています。
和ジンWaginの価格・本場イギリスでの評価
和ジンWaginはアルコール度数45度・700mlで、今日現在の最安値は3,400円前後。
和ジンの推奨されている飲み方はギムレット、マティーニ、ジントニックといったスタンダードなものが多いですね。
ジンの本場、イギリスでも試飲会を開いたところ、「割らずにロック、ストレートでも楽しめる」と高く評価されたとか。
ラベルのデザインは江戸時代末期の浮世絵師・歌川広重の作品を現代風にリメイクしたもの。茨城県のシンボルである筑波山と桜の風景が印象的です。
明利酒類とは?和ジンを生んだ江戸時代からの老舗
明利酒類(めいりしゅるい)株式会社は江戸時代末期の安政年間に創業した加藤酒造店を前身として、百年梅酒」「清酒副将軍」などの銘酒を生み出してきました。
日本酒を造るのに欠かせないのが「酵母」ですが、その中に「小川酵母(協会10号酵母)」という東日本で多くの酒造が使用する酵母があります。
実はこの酵母を生み出したのが明利酒類株式会社なんですね。
さらに、小川酵母に改良を加えて完成した「M-310酵母」は現在、同社で作られる吟醸酒すべてに使われています。
むずかしそうなネーミングですが、310=水戸という意味だそうで実はダジャレだったりします(笑)。
同社は有名な「大矢孝酒造(おおやたかししゅぞう)」から移籍した菊池譲杜氏が酒造りに関わっていて、高いレベルの酒造りに定評があります。
大矢孝酒造は神奈川県愛甲郡愛川町で「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」「昇龍蓬莱(しょうりゅうほうらい)」の銘酒を生み出している老舗蔵元なんですね。
明利酒類は新しい挑戦として、2015年8月に最初のスピリッツとしてジャパニーズウォッカ「和ウォッカ(Wa Vodka)」を製造・発売しました。
国産白樺の炭で丁寧にろ過された、まろやかなクラフトウォッカとして注目されています。そのあとに登場したのが、この和ジンでした。
ベーススピリッツに工夫したジャパニーズジン
日本らしい個性を出すために、ベーススピリッツに焼酎を使ったメーカーのジンはいくつかあります。
和ジンと名前がちょっと似ている「Japanese GIN 和美人」は米焼酎を精製したスピリッツを使用。
高級焼酎を一部ベーススピリッツに使っているのが「油津吟 YUZUGIN」。
ベーススピリッツを焼酎樽に貯蔵して香りをつけた「クラフトジン岡山 Craft Gin OKAYAMA)」。
いずれも酒造メーカーだからこそできる、個性あるジャパニーズジンです。