· 

ワイルドターキー8年・10年・12年・13年の価格、違いや特徴

「ワイルドターキー(Wild Turkey)」はアメリカ・ケンタッキー州ローレンスバーグでワイルドターキー蒸留所(オースティン・ニコルズ社)が製造しているバーボン・ウイスキーです。

 

同蒸留所は禁酒法以前の伝統製法で蒸留から熟成まで一貫して行っています。特徴のひとつが、ライムストーン(石灰岩)の層で濾過されたピュアな水を仕込み水に使っていること。

 

また、他のバーボンに比べてコーンの比率を低くして、風味を活かすためにライ麦と大麦麦芽の比率を高くしています。

 

Turkey 七面鳥
Turkey 七面鳥

 

さらに、熟成時の風味を残すために、蒸留、樽詰め時のアルコール度数を低く抑えて加水量を少なくしています。一般的な蒸留所では1樽から製造できる製品数は約20ケース程度ですが、約15ケース程度と少ないそうです。

 

銘柄の種類は数多くありますが、今回は熟成年数表示のあるボトルの容量・度数・価格(送料込み)を紹介します。熟成年数表示のないスタンダードはこちらでくわしく紹介しています。

50.5度と度数高く、琥珀色が濃い特長の8年

「ワイルドターキー8年(200ml・700ml・1000ml・50.5度)」

Wild Turkey 8 Years Old

 

クロコダイル・スキンと呼ばれる、内側を強く焦がしたオーク樽の琥珀色が定番よりも濃く出ています。高い度数でバーボン独特の香りの中にバニラや穀物の甘い香りを楽しめます。価格は3,000円前後。日本市場限定品。

 

 「ラッセルズリザーブ10年(750ml・45度)」

Russell'S Reserve 10 Years Old

マスターディスティラーのラッセル親子が特別にブレンドしたプレミアムバーボン。「バーボンは10年熟成がひとつのピーク」との考えから、10年物のリリースを息子さんのエディ氏が父のジミー氏に提案して実現。

 

ジミー氏の勤続45周年のお祝いという意味もあり、ラッセル姓が冠となったスモールバッチのリミテッド・エディションです。ワイルドターキーとブランド名が一切書かれていないリミテッドボトルなので、見分けがつきにくくなっています。

「ラッセルズリザーブ10年」はややスモーキーで、リッチなバニラと樽の焦げ感、スパイシーさなどの風味が組み合わさった複雑な味わい。価格は5,000円前後。日本未発売でしたが、現在は通販で購入できます。

 

「ワイルドターキー12年飛翔(700ml・50.5度)」

Wild Turkey 12 Years Old

終売品。とくにクロコダイル・スキンの焦げ感がしっかり出ていて、ウッディな香りとフルーティな風味が人気です。日本でも通販で購入可能。

 

1980年代以前の旧ボトルは空を飛んでいる七面鳥がラベルに描かれ、マニアの方からは「フライングターキー」と呼ばれています。価格は約13,000円から4万円前後まで。フライング柄の旧ボトルがプレミアム価格。

 

 

「ワイルドターキー13年ディスティラーズ・リザーブ(700ml・45.5度)」

Wild Turkey 13 Years Old Distiller's Reserve

12年終売の理由は原酒不足ということでしたが、代わりにこちらが登場。マスターディスティラーのラッセル親子が特別にブレンドしたプレミアムバーボン。

 

蒸留所の中でも理想的な空気の流れ、低めの温度に恵まれた倉庫でゆっくりと時間をかけて熟成されたもの。度数は8年、12年よりも低めの45.5度なので、同じ量の原酒から多くボトリングしたんですね。

 

キャラメルやチェリーを思わせるふくよかさと樽の上品な香り、長くスパイシーな余韻が特徴です。日本市場限定品。価格は5,000円前後。

「ワイルドターキー17年マスターズキープ(750ml・43度)」

Wild Turkey Master's Keep 17 years old

ラッセル親子が2015年に特別にブレンドしたプレミアムバーボン。息子エディー氏がマスターディスティラー就任後、初めて発売された新商品。

 

日本では2016年3月1日から数量限定販売。石造りと木造という異なる環境の貯蔵庫で、17年以上熟成された原酒のみを厳選してブレンド。シナモンやミントを思わせる香りで、絹のような滑らかさと甘さが特徴です。価格は14,000円から2万円ほど。

 

遺伝子組み換えでない穀物、ケンタッキーのライムストーンウォーター、60年以上前から使われる蒸溜酒用酵母(イースト)、昔と同じ樽の焦がし方(チャーレベル)、同じ熟成方法で造られるワイルドターキー。

 

「昔に比べればマイルドターキー」と揶揄する声もありますが、掘り出しモノを探すファンは数知れず。まとめているうちに、飲みたくなってきてしまいました。