「ウィルキンソン ジン(Willkinson Gin)」はニッカウヰスキーが製造、アサヒビールが販売しているジンです。
このジンはスコットランドのハイランド地方フォートウイリアム地区にあるベン・ネヴィス蒸留所で生まれ、現在はニッカウヰスキーがライセンス生産しています。
レシピのルーツとなるベン・ネヴィス蒸留所の創業は1825年。スコットランドで最も古い公認蒸溜所の1つで、1989年に日本のニッカウヰスキーが取得しています。
蒸溜所裏手の丘を流れる川の両岸は、大麦麦芽を乾燥させるための燃料であるピートが豊富に眠る場所。
ベン・ネヴィス蒸留所はそのピートをいぶした香りが魅力のブレンデッドスコッチウイスキー「ロングジョン」の製造でも有名です。
ピートに関しての解説はこちら>>>「バルメナック カルーン ジン」
ちなみに、「ウィルキンソン」といえば、トニックウォーター、辛口ジンジャーエール、炭酸水など、アルコールの割り材としてもお馴染みですが、名称の由来はクリフォード・ウィルキンソン氏からきています。
この方は神戸に住んでいたイギリス人の実業家。彼は1889年頃に狩猟の途中に宝塚の山中で天然炭酸鉱泉を発見しました。
この鉱泉水をロンドンに送って分析してもらったところ、医療用・食卓用として非常に優れているものということが分かりました。そこで、日本ブランドとして瓶詰。国内販売だけでなく、アメリカ、東南アジアに輸出されました。
このときまで日本では英語由来の「ソーダ」が使われていましたが、該当する言葉として「タンサン」を使い、ブランド名もウヰルキンソン・タンサンに。
つまり、日本に「炭酸」という言葉を定着させた会社なんですね。1951年からはウヰルキンソン・タンサン鉱泉株式会社が製造、朝日麦酒が販売を行う体制となりました。
その後、1983年にアサヒビールがウヰルキンソン・タンサン鉱泉株式会社の商標権を取得。製造・販売ともアサヒビールとなっています。
いっぽうで、ニッカウヰスキー株式会社は1954年にアサヒビールの前身、朝日麦酒株式会社に持ち株を売却して傘下に入り、2001年に完全子会社となったため、現在はニッカウヰスキーが製造するスピリッツの販売をアサヒビールが行っているわけです。
ちなみに、「ウィルキンソン ジン(Willkinson Gin)」は1995年から発売する歴史あるレシピを、2018年4月10日発売分から中身とパッケージをリニューアルしています。
10種類以上使用しているボタニカルの配合比率を見直し、シトラスのニュアンスを際立たせ、ジュニパーベリーの香味をアップさせています。
これまでの「強烈な個性はない飲みやすいドライジン」というスタイルから爽やかな甘さとビター感を強めたジンとなっています。
ウィルキンソンジンの大きな特徴は多くの方がレビューでもあげていますが、高品質・高アルコールジンが手ごろな値段という「コストパフォーマンス」の高さですね。
梅酒、レモン酒、柚子酒などのコンパウンドジン(果実酒)のベースとしても人気です。37度(720ml・300ml・1,800ml)と47.5度(720ml)があります。